おいしく調理するには技術や経験と共に、食材の特性を生かして調理する技法「調理のこつ」を習得することが必要であるが、それらは調理学の理論によって裏付けされている。
相愛大学人間発達学部発達栄養学科の杉山文(あや)准教授が「見て納得 おいしい料理のサイエンス-いつもの味が生まれ変わる極上レシピ-」(株式会社化学同人)を出版した。
肉、魚、野菜などの食材別に章立てし、各々の食品に関する解説や、約75点の基本的な料理レシピを紹介している。
一例をあげると、「野菜を色よく調理する」の項では、緑黄野菜とは、クロロフィルとは、カロテノイド、アントシアン、フラボノイドといった語句の説明や、取り上げた食材を使ってのレシピと共に、「調理のScienceポイント」が記されている。野菜を色よく調理するためのノウハウが、食品学、調理学を学びながら習得できるように構成されている。
管理栄養士・栄養士養成課程で学ぶ学生たちが調理学、食品学の副読本として利用することや、調理に興味のある人、食の専門分野の人々なども活用できる1冊といえよう。
普段より家で食事をする機会が増えた今、「見て納得おいしい料理のサイエンス-いつもの味が生まれ変わる極上レシピ-」で調理学、食品学を学びながら、食卓をさらに充実させてみるのはいかがだろうか。
【杉山文准教授のコメント】
調理の際に「理論を確認しながら作れるような書籍を作成したい」と考え、この度「見て納得 おいしい料理のサイエンス-いつもの味が生まれ変わる極上レシピ」が完成いたしました。実際に調理をしていると「なぜそうなるの?」「どうしてそうするの?」などと、疑問がたくさん浮かんできます。これらの疑問に対する答えや、一つひとつの食材に起こっている変化を知ることが、調理学の面白いところです。そして学んだ理論に基づいて作業をすると、今までとは違った的確な調理技術が身についてきます。
調理学の楽しさや大切さを実感していただきながら、疑問をもったときにはすぐに手に取り確認できる本として、一人でも多くの方のお役に立てればと思っております。
【著書】
タイトル:見て納得 おいしい料理のサイエンス-いつもの味が生まれ変わる極上レシピ-
著 者:杉山 文
発行者:曽根 良介
発行所:株式会社化学同人
発行年:2020年
2020.08.28
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