2025.04.22
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学長メッセージ

令和7年度 入学式 学長式辞

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新入生の皆さん、相愛大学へのご入学おめでとうございます。

皆さんを心より歓迎申し上げます。

本日は、相愛学園名誉総裁 大谷範子様、浄土真宗本願寺派 桑羽隆慈様、大阪教区所長 中尾信博様を始め、多くのご来賓の皆様にご臨席を賜り、心より感謝申し上げます。

また本日ご列席の保護者の皆様には、これまでお子様を大切に育てて来られたことに、心より

敬意を表したいと思います。

私は相愛大学学長の前田昌宏と申します。よろしくお願いいたします。

相愛学園は、親鸞聖人のみ教えに基づいて、西本願寺が1888年(明治21年)大阪本町にある、津村別院(北御堂)の境内に相愛女学校を開学したことに始まります。

その後1906年(明治39年)、大阪女子音楽学校を開設するなど発展を遂げてまいりました。

3年後の2028年には創立140周年を迎えることとなります。

私どもの建学の精神は「當相敬愛」です。建学の精神とはすなわち、どのような人材を育て、どのような教育をしたいか、ということを表す言葉です。當(まさ)に相(あい)敬愛(きょうあい)すべし、の意味ですが、すなわち人と人とが互いに敬い合い、そして尊重し合うことの大切さを語っております。

本日は、私も皆さんと同じくポートタウン東駅から歩いてやってまいりました。

私はその途中、桜並木の中からやがて見えてくる光景がとても気に入っています。まず三角屋根の時計塔が見え、こんもりとした木々、そしてやがて近づくにつれ校舎が見え、正門についた時には、ここ、ホールの建物、講堂棟が構えています。今日は学生たちとどのような話ができるか、私は音楽出身ですので、彼らがどんな演奏を聞かせてくれるのか、ワクワクしながらレッスン室に向かったものです。

ところで、皆さんはこの道や光景は誰が作ったんだろうと考えたことがおありでしょうか。

当然、誰かがこれを作り、我々人間社会の中で役に立つことを考え、仲間たちと意見を戦わせながら、譲歩もしつつ作ったと思います。こうした人々の気持ちが、我々の人間社会を形成しており、まさにそこには當相敬愛が必要なことは言うまでもありません。

大学では専門分野を深く考え、知識や理解、さらにはもっと踏み込み学問の深淵に到達していただきたいと教職員一同が願い、サポートをしてまいりますが、私からはそのもう一歩先「自分は何をすべきか」ということを今から考えていただきたいと思います。

そしてもう1つ、私たちの社会は急速に変化している点に注目していただきたいと思います。

人間の仕事をコンピューターが取って代わる、人間の仕事がコンピューターに奪われる、とは言われて久しいことです。ところがここ2、3年、というよりここ1年、これらのことを根底から覆す大きな変化がありました。それはAI、人工知能の飛躍的な発展です。

すでに私自身は、このAIを使わない日はまったくといってありません。これまでは質問を検索サイトに入力し、回答に示されたリストの中から目的のものを探していたのですが、今ではAIに質問を話しかけると、たちどころに答えてくれる時代になりました。文章表現や複雑な計算、プログラミングなどは言うまでもなく、絵や動画も作ってくれることはすでに日常になり、さらには我々人類が持っている知識を全てAIが持つ時代が間違いなく来るだろうと言われております。

これまで人類が経験したことのない時代に突入し、これまでの常識だけでは済まない時代がもうすでに来ています。

そうした時代、知識の量だけが問われることはなくなるのではないでしょうか。

人間らしさ、自分らしさを保ちつつ、自分がどのような人になるのか、あるいはそれをして自分はどういう存在価値を持つことができるのかを考え、身につけていただくことが必要だろうと思います。相愛大学で学問とともに皆さんの生き方や未来を担う考え方を見出してください。社会においてこのような構成員のひとりになりたい、と思うような夢を描いていただきたいと思います。

大学で一歩を踏み出そうとしている皆さんに、私たち教職員は全力を上げてサポートしてまいりたいと思います。些細なことでも近くにいる私たちに気軽に相談してください。

そして新たな未来を築き上げていただきたいと思います。

どうか素晴らしい学生生活を送っていただきますよう念じ申し上げます。

相愛大学 学長 前田昌宏